親鸞晩年の著作を読み解き、善鸞義絶という厳しい現実を負って歩んだ宗教的生の具体相を描き出す。著者晩年の名講話復刊第二弾!
私は聞法の初期から、親鸞聖人の主著は『教行信証』六巻であり、その他の著作は主著にくらべるとさほど重要性をもたず、とくに仮名聖教と呼ばれる晩年の著作は、初心者に対する啓蒙的なものと考えてきた。
しかし、最近の約十年間に、正像末和讃をはじめ、『唯信鈔文意』、『一念多念文意』その他、聖人晩年の著述のほとんどすべてを講読する機会に恵まれて、その大部分をくり返し、読み返すことができた。その結果、聖人の教えを全体として理解するためには、前述の『教行信証』中心の生き方では不充分であることを痛感するようになった。
聖人の教えは、『教行信証』の教学を基礎篇とし、晩年の著述(消息をふくむ)を、その基礎篇をもとに生活された結果を述べた実践篇として併せて解釈するとき、はじめて明確となるのではなかろうか。
この一書はこの一事を述べて、識者の教示を得たいと思うものである。
(「はじめに」より抜粋)
はじめに
晩年の親鸞
真実仏教の開顕
称名念仏のすすめ
正定聚不退の慶び
宿業の諦観
正像末和讃を読む
浄土を讃嘆する
善鸞の義絶
二十願から十八願へ
夢告讃
あとがき
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