ロールシャッハ・テストを解釈するとき、解釈仮説の大部分が文化差に関係なく同じように適用できるとしても、ロールシャッハ・テストがインクブロットに対する言語反応を素材としている以上、文化や習慣の影響は無視できない。本書はわが国でロールシャッハ・テストを適用する際の基準となる、日本人の反応出現度に基づく形態水準を収録したものである。エクスナーの形態水準表に見られないわが国独特の事物や、同じ単語であっても欧米圏とはニュアンスの異なるであろう反応に対して、本書を参照することによって、正確にコード化し解釈を進めることができる。また本書には主な反応の内容コードの一覧も付されており、形態水準のコード化と内容のコード化が一定の基準で確実に行えるよう工夫されているので、ロールシャッハ・テストをどのような方式で実施するにせよ、臨床場面でも研究場面でも本書は欠かせないものとなっている。
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