【輸入盤】『グレの歌』 シュテンツ&ケルン・ギュルツェニヒ管、ケルン大聖堂声楽アンサンブル、ジョヴァノヴィチ、他(2CD)
シェーンベルク:『グレの歌』
シュテンツ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、総勢450名による演奏!
ドイツの指揮者、マルクス・シュテンツは2003年にケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の音楽監督に就任し、2008年には契約を2014年まで延長、11年間に渡って着実な成果を積み重ねました。その任期の終わり、2014年6月の告別コンサートで取り上げて大きな話題となったのがこの『グレの歌』。
今回、イギリスのハイペリオン・レーベルから登場することになったこの音源は、ライヴ録音という記載はないものの、収録日については、コンサートの実施日と同じ2014年6月1日から4日と表記されているので、おそらくライヴ録音主体と思われます。
プロデューサーとエンジニアは、エームス・レーベルのマーラー8番などと同じくイェンス・シューネマンとクリスティアン・フェルトゲンのコンビ。450名という大編成の演奏を、オーケストラと声楽のバランスが適切な、克明かつ迫力あるサウンドに仕上げているのが印象的。フルート8人、ホルン10人などケタ違いの巨大編成ゆえ録音の難しいこの作品ですが、サンプル音源を聴く限りでは、数あるこの作品の録音の中でも、生々しいリアルさではトップクラスの質感となっています。
【マルクス・シュテンツ】
マルクス・シュテンツ[1965- ]は、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェにその才能を見出されたドイツの指揮者で、現代音楽の分野ではすでに注目すべき実績を持っています。
現在、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の首席指揮者(ケルン歌劇場音楽監督兼務)を務め、マーラーの交響曲全曲シリーズを録音するなど、若き日にタングルウッドでバーンスタインに師事したことも影響しているのか、マーラーに深い理解と関心を示してきました。
【グレの歌について】
『グレの歌』は、実在のデンマーク国王ヴァルデマール(在位1157-1182年)をめぐる伝説にもとづいています。国王とその愛人トーヴェとの、悲しくもグロテスクな物語のあらましは以下の通りです。
この手の寓話に良くあるパターンですが、国王ヴァルデマールには嫉妬深くわがままな妃ベヴィヒがおりました(出演はナシ)。嫌気がさしたヴァルデマールは、トーヴェという美しく気立ての良い女性を愛人とし、グレの地にある狩猟用の城郭で逢瀬を重ねます。
以上が第1部のオーケストラ間奏までに描かれる部分で、間奏後に現れる『グレの歌』随一の人気曲、「山鳩の歌」では、山鳩がトーヴェの死と悲しむ王について伝え、トーヴェの死は、不倫を知った妃による毒殺であると歌います。(以上、第1部)。
短い第2部では、ヴァルデマール王が激昂して神を呪い、それが原因で天罰によって落命する様子が描かれます。
第3部は、昇天することが許されないヴァルデマール王の魂が、家来である大勢の兵士の幽霊を引き連れ、トーヴェの魂を求めて夜な夜なグレの地を徘徊する場面で始まります。
時は流れ、夏の嵐に替わって実りの秋が到来。収穫の季節にふさわしく農夫も登場し、やがて道化師と語り手も登場して、幽霊たちの壮絶な男声合唱を交えながらも、二人の魂の救済に向けて盛り上がりをみせます。
最後は混成8部合唱による壮大な太陽の賛歌となっており、女声合唱の参加による色彩の変化が、魂の救済の可能性について暗示しているかのようです。
この作品は最初、シェーンベルクがまだ若い頃に一編の歌曲として書き上げられ、その後巨大化の道を歩んだという後期ロマン派風の作品。ワグネリズムの影響、特に『神々のたそがれ』や『さまよえるオランダ人』を髣髴とさせる場面があるなど、シェーンベルクらしからぬ親しみやすさと、通常のレパートリーではおそらく最大音量と言われるその迫力ある音調、および変化に富む曲調から、これまでにも注目すべきレコーディングがいくつもおこなわれてきました。
オーケストレーションするにあたり、シェーンベルクが48段の五線紙を特注したというエピソードはよく知られるところで、その編成は、ティンパニ6、バスドラム、スネアドラム、ガラガラ、タム・タム、それにハープ4ほかを含む150人近い巨大なオーケストラに、5人の独唱者、3群の男声四部合唱、混声八部合唱を加えた300人近い声楽陣を要するという大規模なものです。(HMV)
【収録情報】
● シェーンベルク:『グレの歌』[107:59]
Disc1
第1部 [59:18]
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