日本人は宗教になにを求め、なにを信じてきたのか? 仏教は思弁的な教義や哲学、僧侶の支配、また優雅な仏教芸術のみで語られるものではない。インドから中国、朝鮮を経て、欽明天皇十三年(西暦552)に日本に受容された仏教は、庶民の間で不安や苦痛、悩みからの救済として取り入れられ、それぞれの生活や慣習に合わせ独自の伝播と発展を見せた。観音信仰、ヤマ信仰、高野聖にイタコ、踊り念仏、お遍路さんーー多種多様な民間宗教の形から、日本の仏教文化を問い直す。(原本:角川選書、1985年刊)
1 日本仏教の特性
日本仏教と民間信仰
僧侶の肉食妻帯
庵と堂ーー庶民信仰の寺の発祥
日本仏教と葬墓
日本仏教と呪術
日本の観音信仰
2 山の信仰
日本の山と修験道
霊山と仏教
高野山の浄土信仰と高野聖
山の薬師・海の薬師
山岳信仰と弥勒菩薩
3 遊行者の仏教
巡礼・遍路の信仰と歴史
遊行・放浪の仏教
一遍の時衆と融通念仏
遊行の聖と罪の文化
4 仏教と芸能
仏教と芸能の世界
説経から「語り部」へ
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