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輪郭は強烈な輝きを放っているのに、 彼の中心は闇に沈み、謎めいたままーー ひったくりの犯人を突き止めた。 事件はそれで終わらなかった。 私たちは、ある男が歩んだ道を 辿り直すことになる。 本屋大賞候補作家、渾身の長編 知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、自分が通う大学で犯人探しをしようとするが、心配だから同行させてほしいと言う錬に押し切られ、二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったーー。最新作『カフネ』が話題の俊英が〈犯罪と私たち〉を切実に描いた、いま読まれるべき力作長編。
レビュー(20件)
面白みはなかった
作者が真面目な人なんだろうなと思う。 それがキャラにも反映されていて、みんな真面目で話が通じる人。そのため盛り上がることもなく、小さくまとまっちゃった。 心に深い傷があっても、防衛本能によって普段はテキトーに生きていたりするもんだけどな。たまに傷と向き合うと落ち込んだりするけども。そのへんのメカニズムを知らないってことは、作者は幸せな人生なのだろう。