お伽噺や伝説は文字の作品ではなくて、口で語り、耳で聞かれるものとしてうまれてきた。現代では書き上手や読み上手はいるが、語り上手や聞き上手がすくなくなってきた。お伽噺や伝説も、まずは文字で印刷されたものとしてお目にかかるのが現代だ。文字は変化しない。お伽噺や伝説の本来が「動き、変化する」ところにあるとすると、変化しない文字でお目にかかるのは本来からはずれているといえないこともないが、そのかわりに、多人数がおなじストーリイを読める利点がうまれてきている。この利点を思いきって活用してみようという狙いで、本書を書くことになった。
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