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穂刈は、クラスで起こるいじめに目を逸らすような、事なかれ主義の中学教師だった。 しかし小6の娘がいじめで飛び降り自殺をはかり、被害者の親になってしまう。 加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。 そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かにインターネットに書き込まれてしまう。 追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く……。 一 穏やかな翠 二 棘のある葉 三 毒を持つ嚢 四 不穏の茎 五 そして根は残る 解説 若林踏
レビュー(15件)
イジメを題材としたミステリー。イジメを苦に自殺未遂した子について、同級生が「どんな仕打ちにも負けない強い子だって決めつけていました。でも、違った」と言う場面が印象に残りました。それって「あの子は強い子だから、憂さ晴らしの道具にしても大丈夫」と「サンドバッグ認定」していたってことじゃない? 本人にしてみれば「本人の意見も聞かずに一方的に決めるな!」と言いたいところでしょうね。企業などの大人の世界にもイジメはあり、子どものイジメは結局、大人を真似しているのだろうという気がします。お勧めの一冊です。
すごい! 教育問題やらこの時代ならではの時事ネタ、そして推理も加わって満足。