科学(カガク)の響きは化学を連想させ,サイエンスの訳語でありながらその意味には隔たりがある。サイエンスは「たこつぼ」的な科学とは異なるからである。歴史的背景に起因するこの隔たりは科学が何を意味するかの理解を困難にしている。
本書はサイエンスの歴史の全分野・関連域までを視野に入れてまとめた。本書が訴えているのは,正しい知見を導くために知のリンクと知への評価,知ることの価値を知り,正しく使うことが重要だということである。非科学的判断は時に罪となる。科学的判断は総合的判断である。科学技術大国である日本でその力は有効に機能しているのだろうか。公害や薬害問題はなぜ起こるのか,教育はどのようにその役割を果たせばよいのか。本書はそれらの答えを模索している。
第1章 サイエンスとは何か
第2章 万有引力発見までの道:2000年のあゆみ
第3章 近代化学の誕生:ラヴォワジェの果たした役割を中心に
第4章 現代物理学の成果:20世紀前半の躍進
第5章 科学の社会学:公害・薬害問題
第6章 科学的精神の開拓:無知の知からの再出発
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