「本書は,アスリートの実力発揮や競技力向上を主たる目的としたメンタルトレーニングではない。アスリートの心理臨床では,スポーツ場面での悩みや問題を解決しようと訪れたアスリートに対して,幅広い視点からの理解に基づいたカウンセリングや心理療法によって,彼らの人生の歩みに資することを目指している。(「はじめに」より抜粋)」
アスリートの身体は,時に彼らの無意識を表現する場となり,臨床家たちのたましいの働きかけが個性化の契機となる。スポーツ心理臨床のパイオニアたちが,故障やスランプなどとしてアスリートの身体から発せられた心のメッセージを,いかに聴き,いかに働きかけるか,その治療的過程を集成した,珠玉の実践集。
第1部 アスリートの心を診る
第1章 アスリートの心理臨床の歩みー1964〜2020(中込四郎)
第2章 燃え尽きるほどに追い込んでしまうアスリート(中込四郎)
コラム1:アスリートのカウンセリングにおける“窓”-身体に拓かれるー(中込四郎)
第3章 スポーツ傷害を克服したアスリート(鈴木敦)
コラム2:競技スポーツそしてアスリートの心性(中込四郎)
第4章 精神科クリニックで出会ったアスリートたち(待鳥浩司)
第2部 身体の語りを聴く
第5章 競技継続を支える“こころの推進力”(中込四郎)
第6章 アスリートの自己形成につながる“対話的競技経験”(江田香織)
コラム3:長寿命化するアスリートのセルフコントロールとメンタル(中込四郎)
第7章 競技力向上や実力発揮における“語ること”の意味(鈴木壯)
第3部 パフォーマンスを癒す
第8章 パフォーマンスの発揮を阻害する心理的要因(1)イップス(奥田愛子)
第9章 パフォーマンスの発揮を阻害する心理的要因(2)スランプと成功恐怖(秋葉茂季)
コラム4:ジュニア期のアスリートの課題;タレント発掘(江田香織)
第10章 心と身体のつながりーアスリートのパフォーマンスに見る内的課題ー(武田大輔)
第4部 チームを治す
第11章 チームMT実践:グループ箱庭療法によるチームビルディング(江田香織・中込四郎)
コラム5:アスリートの身体が発する心的メッセージをマッピングする(鈴木壯)
第12章 競技現場でのソーシャルサポートの活用(土屋裕睦)
コラム6:カレッジスポーツの課題と日本版NCAAへの期待(土屋裕睦)
おわりに(中込四郎)
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