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迷惑なの! と言われても。 昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。 そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。 双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。 彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。 「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。 『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾! 定年、終活、人生のあとしまつ……。 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。 「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。 内館節でさらなる深部に切り込む!
レビュー(113件)
心あたりあれば
文字が小さくて、ボリュームあるページに読み切れるか心配でしたが、中盤から食事を忘れて、読みふけりました。 心あたりある老害の人で、笑っちゃいます。ドラマになると面白そう。配役を考えて過ごす正月でした。
内館牧子さんの本は好きなので購入しましたが読んでいて疲れてしまったので途中で辞めました。作中の村井サキという婆さんには殺意を感じました笑。買わなきゃ良かったと後悔してます。
台詞の重み
カルタなどを扱う「雀躍堂」の前社長・戸山福太郎が主人公。引退したにも関わらず出社し、過去の自慢話などで周囲は大迷惑。その福太郎が「老害」仲間を集め、会社の一角に老人専用サロンを設置……まさに周りの迷惑顧みず。テレビドラマを手がけていた内舘氏だけに台詞の面白さは抜群。とりわけ前半は笑わせてくれるが、やや尻すぼみ。オチは、もう少し考えて欲しかった。とはいえ内舘氏もそろそろ老害年齢と意識しての出版か。読んだ私も同年齢。他人様に迷惑を掛けているのではと、少し考えさせられた。