むかし、大分県は「豊の国」といって、雄大な自然と明るい太陽と清らかな海とにめぐまれた、美しくなつかしい国でした。こんな国でしたからいろいろな話が語り伝えられています。心のやさしい動物や、思いやりのある姉妹、それにとんちやまぬけなど大分県ならではの話がたくさんあります。とくに「吉四六さん」の話は有名です。野津の子どもたちはいうにおよばず県内各地でおじいさんやおばあさんがせがまれるままにおもしろおかしく話をして聞かせたものです。この本を読むほどにむかしの人の明るい笑顔や深い悲しみにしずんだ姿がうかんできます。方言の美しい語り口から人々への親しみがわいてきます。話の中から祖先のきずいたすばらしい生活が力強くひびいてきます。そして、直接、親や祖父母から聞いているようなあたたかさが感じられ、いつまでもなつかしい思いにひたらせてくれるでしょう。
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