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なぜトランプなのか?ニューヨークではわからない。アバラチア山脈を越えると状況が一変した。トランプを支持する人々がいた。熱心な人もいれば、ためらいがちな人も。山あいのバー、ダイナー、床屋、時には自宅に上がり込んで、将来を案ずる勤勉な人たちの声を聴く。普段は見えない、見ていない、もう一つのアメリカを見る。
なぜトランプなのか?ニューヨークではわからない。アバラチア山脈を越えると状況が一変した。トランプを支持する人々がいた。熱心な人もいれば、ためらいがちな人も。山あいのバー、ダイナー、床屋、時には自宅に上がり込んで、将来を案ずる勤勉な人たちの声を聴く。普段は見えない、見ていない、もう一つのアメリカを見る。
レビュー(44件)
現地取材に迫力あっておもしろい
現地取材を積み重ねてあり、臨場感があっておもしろかったです。
なぜトランプが大統領になれたのか
本著書は記者がトランプの大統領選出馬から1年にわたってアメリカ各地を足で回って取材した生の米国民のインタビューをまとめたものである。 それゆえに一般のニュースメディアが取り上げている記事よりも「なぜクリントンでなくトランプなのか」の理由について理解を深められる1冊である。 読み終えた感想としては大統領選といえどもいわばビジネス的な選挙闘争である、という点だ。 そうした意味で大きな資産を持ち、実業家としての名も高いトランプは選挙闘争における戦略も非常に優秀であると理解できる。 米国を州単位で区切った際に、「どの州の米国民が現状の政権に不満を抱いているか」を分析によって見出だし、演説時には事前に「どんなことに不満を抱いているか」「どんな内容の演説を聞きたいか」などのアンケートを取った上で講演にのぞむなど、非常に繊細な戦略展開を垣間見ることができる。 米国の大統領選に限ったことではないが、選挙献金などによって実際の国政はコントロールされてしまいがちなのが現状である。 そうした国民の不満はどの国にもあることだが、そうした内容を各州の一般生活者から生の声としてまとめ上げている本書を読了することで、よく理解することが出来る。 そうした意味では現状の米国の政策の理解を進めるというよりも、新たなトランプ支持の背景と米国のフラストレーションの生の声をよく理解できる1冊である。
トランプ現象の理解に
悩めるアメリカの実情が著者の現地での取材を通じて、明らかになる。問題は、地方の荒廃と中流階級の没落だ。彼らの不満が変わらない政治に変化を求めた結果、トランプ大統領の誕生となった。原因はいろいろあるだろうが、一言でいうなら、アメリカ自身が進めたグローバル化と既存の政治への失望だろう。トランプ氏は彼らの期待に応えられるだろうか。