変化し続けるビジネス活動を描写するためには、会計基準をはじめとする会計ルールにも相応の対応が必要となる。その結果、多くの会計基準が生み出され、複雑で詳細な会計処理が財務会計の領域に盛り込まれた。この変化は財務会計の学習に2つの問題をもたらしている。それは、第一に、新しい会計処理が増加したことに伴い、学習のボリュームが飛躍的に増大したこと、第二に、新しい会計基準の会計処理が追加されたことで、銃らからテキストで採用されてきた記述体系を用いて全体を説明することが難しくなったことである。
こうした背景を考慮して、本書は『簿記の思考と技法』を学び終えた学習者を対象として想定し、財務会計の領域に正しくアプローチできるようになることを企図して、以下の三つの点に留意した。第一に、「財務の思考」と「会計の思考」とのリンケージを考慮して、それらの結びつきを必要に応じて統一的視点から説明すること。第二に、会計ビッグバン後に公表された膨大な会計基準と、複雑化した制度会計のルールを一通り網羅しつつ、可能な限り体系的な視点で簡潔に説明すること。第三に、従来から良質なテキストで行われているような説明手法を踏まえて、その後の実務や研究にも役立つ論点・視点を整理して提示すること。
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