平安貴族の住宅様式である寝殿造。複数の建物配置が寝殿を中心に左右対称であるのが特徴とされながら、建物は現存せず実像は謎につつまれている。はたして寝殿造とは何か、その本質はどこにあるのか。遺構や絵巻、史料から貴族の住宅を通覧し、寝殿造の通説を徹底検証。院政期における建物・空間の変容を探り、これまでの住宅史に一石を投じる。
寝殿造の虚像と実像ープロローグ/平安京の貴族住宅とは(平安貴族の住宅と寝殿造ー東三条殿/絵巻物にみる寝殿造の建物の構成と配置/寝殿造の内部空間/平安貴族住宅に通じる建物や復元模型、再現された施設)/寝殿造の通説と問題点(これまでの寝殿造の定義/「寝殿造は左右対称」という幻想/沢田名垂著『家屋雑考』の「寝殿造鳥瞰図」は誤り/「寝殿造鳥瞰図」と復元研究)/寝殿造の本質とはなにか(不変的な「型」に本質を見いだす/鎌倉・南北朝時代の貴族住宅と室町幕府将軍御所/室町時代の貴族住宅に寝殿不在というのは本当か/江戸時代以降の貴族住宅/寝殿造の本質)/平安貴族の住宅の変容ー院政期の実態(私的空間の充実/廊状の空間が重要性を増す)/変容は周辺部にはじまる(会所・座敷飾り・書院造/禅宗寺院建築における変容の実態)/様式の共存と不変性ーエピローグ
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