2年半に及ぶ中国でのフィールドワークに基づきながら、中国の死神である「無常」の歴史的変遷を緻密にたどり、妖怪から神へと上り詰めたそのプロセスや背景にある民間信仰の原理を明らかにする中国妖怪学の書。貴重な写真をフルカラーで130点以上所収。
まえがきーーなぜ無常なのか
序論 謎多き無常
第1章 無常を採集する
1 廟(難易度:★☆☆)
2 祭り(難易度:★★☆)
3 口頭伝承(難易度:★★★)
無常珍道中A--地獄のシンデレラ@山東省菏沢市鄄城県信義村・信義大廟(二〇一九年一月七日)
無常珍道中B--地獄の扉を開いたのは誰@山東省菏沢市鄄城県閆什鎮閆什村・砂土廟(二〇一九年一月八日)
第2章 無常を観察する
1 無常イメージの変遷ーーもともと黒無常はいなかった
2 無常信仰の発展原理1--馬巷城隍廟の無常信仰を事例として
3 無常信仰の発展原理2--東南アジア華人の無常信仰を事例として
無常珍道中C--地獄のふもとの不届き者ども@山西省臨汾市蒲県・東嶽廟(二〇一九年一月五日)
無常珍道中D--地獄のゼリービーンズ@重慶市長寿区但渡鎮未名村(二〇一九年一月三日)
第3章 無常を考察する
1 黒無常の誕生ーー摸壁鬼というバケモノに着目して
2 白無常の誕生ーー山魈というバケモノに着目して
無常珍道中E--地獄の美熟女@山東省菏沢市鄄城県信義村・信義大廟(二〇一九年十一月二十一日)
結論 つまるところ無常とは
引用・参照文献
あとがきーー再び、なぜ無常なのか
レビュー(7件)
・コロナ直前だったので今でも通じるかは別だが、学者のフィールドワークや中国旅行の仕方に詳しい。 ・中国の廟や祭礼の本は何冊か読んだが、写真の大半が白黒なことが多く、視覚的イメージが持ちづらいことが多かった。本書は、カラー写真主体、転載の図版も見やすい。丁寧な編集が伺える。ただ、無情の写真ばかりで、建物としての廟の全体像が分かる写真も欲しかった。 ・幕間にある「無情珍道中」が面白かった。もう少しページ数が多くても良かったのでは?