1980年代以降、国際関係の舞台で影響力を増す中国。2050年に世界の大国として、また科学大国としての地位を築くことを目標としている。
本書は、まず戦略的歴史に立ち戻り、朝貢制度による対外政策、帝国主義列強諸国との戦いによる国力の低下、中華人民共和国成立以降の指導者たちの政策などを概説する。
朝貢外交で海に乗り出すこともあったが、基本的には大陸の国境の安定化に腐心していた。海上での地政学が重要になるのは、大陸での国境がほぼ画定してからである。陸から海へと地政学の重心を移す中国は、東アジアで足場を築き、世界の大海において海洋基軸を打ちたてようとしている。グローバルプレーヤーとなった中国の地経学が、地政学的な行動にどんな影響を与えたのか?
グルノーブル地政学フェスティバル最優秀地政学大賞受賞作。
[目次]
序章
第一章 中国の地政学的表象
I 歴代王朝の遺産
II 国恥の百年
III 中華人民共和国の指導者たちの遺産
第二章 大陸における国境の安定化
I 中国の陸続きの国境を巡る地政学
II 中露関係の変転
III 朝鮮半島ーー陸と海のはざま
IV 新しい絹の道?
第三章 海洋における国境の政策転換
I 台湾という重石
II 海洋における国境
III 日米同盟を軸とする地域の安全保障の構造を巡る戦略的競合関係
第四章 新しい地平ーー世界進出の野望と残した足跡
I 世界で存在感を増す中国の地経学
II 不干渉主義ーー見直しを迫られる原則
III 中国ーーアフリカにおける大国
結論
訳者あとがき
参考文献
レビュー(0件)