万里の長城を築く労役で夫を失い、のちに悲しい民謡のヒロインとなった女性、竜に変身してしまったことに苦しむ母思いの息子、自分に恋いこがれて死んだ男のために殉死して合葬された女性…。
アジアの人々の心の底をつなぐ物語は、どのように語られてきたのか。
平安朝日本に残された断片的な記載から、現代の風説に至るまで、さまざまな資料を駆使しながら、広く説話伝承の世界を照らし出す。
はじめに
1 孟姜女民話の生成
孟姜女についてーある中国民話の変遷
孟姜女民話の原型
2 中国民話と日本
『竜の子太郎』のふるさと
中国の狐と日本の狐
中国の「三大童話」と日本
董永型天女説話の伝承と沖縄の昔話
3 中国民話の世界
ある悲恋心中譚の系譜
民話掌編
鬼とトケビ/牛の皮一枚の土地/泡んぶくの敵討/赤い眼の予言
中国の夢の話/兎と亀のかけくらべ
ことわざの本
周作人と柳田国男
柳田国男と周作人/柳田国男・周作人・谷万川
宮武外骨と南方・柳田、そして周作人/周作人とフォークロア(研究回顧)
4 中国の「現代民話」
中国の現代民話に見る日本
台湾の民話・民謡集に見える「日本」
中国「東北」をめぐる民間伝承
5 研究回想
李福清さんのこと/中国の民間文学研究とわたし(ボリス・リフチン)/
鍾敬文さんのこと/大林太良さんのこと/伊藤清司先生の仕事/
『中国民話集』の前後/「中国民話の会」の歴史
初出一覧
解 説
飯倉照平さんの中国民話研究 石井正己
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