どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。
姜尚中さん(東京大学名誉教授)
ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。28年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。100年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。
小島慶子さん(エッセイスト)
時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。
島本理生さん(作家)
明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で3人の男と〈結婚〉、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺されるーー。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして2番目の夫でダダイストの辻潤、3番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。
【著者略歴】
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵ーーエンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞を受賞。
レビュー(80件)
むしろノンフィクション
大杉栄とともに生き、とはいえ28歳で生涯を閉じた伊藤野枝の物語。小説ではあっても緻密な資料を基にしておりノンフィクションの感覚で読んだ。650ページの大作だが、息もつかせぬ展開は、さすがに村山由佳氏。ただ、憲兵の甘粕や宗一少年が最後まであまり登場しないのはなぜか。事実が知られているだけに、敢えて布石を打たなかったのか。少々、疑問。その分マイナス。
無政府主義者といったイメージがあったので、どちらかと言えば敬遠するジャンルです。 吉高由里子さん主演のドラマが良く、原作を読んでみようという気になりました。 最初から最後まで熱い感じ。一気に読めました。 こんな亡くなり方をしなかったら、どうなっていたのだろうと考えさせられました。
昨今、本は高くなりました。2000円なので勇気いりますよ。分厚さ、引き込まれた内容で2000円でも後悔はありません。なぜ野枝さんの事をあまり知らずにいたのか今まで残念です。
大正時代にはまってます。
どう生きるか、とても刺激を受けました。うちの子供にもいつか読ませたい。