皇位継承者には成り得なかったにもかかわらず、藤原氏の奇計により即位した桓武天皇。長岡京、平安京への二度の遷都と、蝦夷との戦争を決断し、実弟・早良親王との骨肉の確執を乗り越えた多端な生涯を読み解く。血統に頼らず、政治的パフォーマンスに優れた「造作と軍事の天皇」の新たな実像と、日本古代史の転換点を描く。
はじめに
第一章 ルーツーー白壁王の長男
一 祖父は天武天皇の“子”になった
二 父と母
三 「先帝」の功績
第二章 皇位への道ーー「奇計」によって誕生した皇太子
一 井上内親王と他戸親王
二 井上内親王が女帝になる可能性
三 山部親王の立太子
第三章 桓武天皇の登場ーー「聖武系」の皇統意識
一 高野新笠と高野天皇
二 早良親王の還俗
三 否定された即位
第四章 平安朝の“壬申の乱”--早良親王との確執
一 長岡京を「建てる」
二 種継暗殺事件
三 早良親王、絶命
第五章 神になった光仁天皇ーー長岡京から平安京へ
一 安殿親王の立太子
二 怨霊への挑戦
三 棄都の思想
第六章 帝王の都ーー平安新京の誕生
一 新京賛歌
二 造宮使から造宮職へ
三 後宮(キサキ)の拡大
第七章 政治に励み、文華を好まずーー計算された治政
一 東北経営
二 遣唐使の派遣
三 『続日本紀』の編纂と「和氏譜」の撰上
終 章 桓武天皇の原点ーー聖武天皇への回帰
一 はじめての遠出
二 桓武天皇と聖武天皇
三 当年の費、後世の頼
文 献
桓武天皇略年譜
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