体は動かず、自力で息もできない。「死にたいと思ったことはありますか?」看護学生からの問いにALS患者が出した答えとは……
本書は、原因不明の難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症して24年、人工呼吸器をつけて24時間完全介護を受けながらも、自ら事業を営み大学院受験や講演活動を行う佐々木公一さんの人生を追ったノンフィクションです。
目の動きだけで周囲とコミュニケーションをとりながら、家族や友人との団欒の時間を過ごす佐々木さん。「不自由なのは体だけでありたい」と願うその生き方には、弱さを認めながらも人と繋がり自分らしく生きることの意味を考えさせられます。
困難な立場にある人々とそうした方々を支える立場にある人々に、心の底からわき上がるような勇気とあたたかな励ましをもたらす本です。
プロローグ
第一章 日常 〜ALS人生、けっこう楽しい、忙しい〜
一日のはじまり/ALS患者として生きる/忙しい日常/
意外と少ない夫婦の時間/コーヒータイムも立派なリハビリ/
日常を支える訪問ヘルパー/眠れない夜のたわいない会話
第二章 告知 〜壊れていく世界〜
右腕が動かない/小さな部屋での告知/おびやかされる家族/
みじめな体、失われる尊厳/仲間との出会いと「希望の会」/
「わの会」の設立/セピア色の家族旅行/気管切開手術 地獄の三ヶ月/
過去の暗闇に差す光
第三章 再生 〜役割を取りもどす〜
必要な手をかきあつめて/命綱となるのは文字盤と視線/
無茶なリハビリ/ヘルパーの「吸引問題」/
介護事業所の立ちあげ/家族を取りもどす/
遺伝への不安/父として夫としての役割
第四章 生きつづける 〜ALS患者の選択肢〜
進行よ、止まれ!/どんなお父さんでも生きてもらう/
ALS患者の権利と制度/「家族に迷惑をかけたくない」の裏に/
家族介護の罠/ALSを生ききる/自分の声で伝えたいこと/
「死にたい人など、いるはずはない」/死を選ぶ権利/生きる道をつくる
第五章 つながる 〜かけがえのない「普通」〜
次世代へ/一〇年の学校講演/ALS患者である意味/
支える人になる/死は誰の前にもある/どんなときも「生きる」/
不自由なのは体だけでありたい/“私”は普通に生きられているのか?
エピローグ
対談〇武藤将胤・佐々木公一
ALS患者の道のりと未来
看護・福祉学生との対話
本書刊行に寄せて 佐々木公一/佐々木節子
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