保育や教育の現場において、気になる子どもの保護者と連携を取ろうとしても、こちらの意図が伝わりにくかったり、信頼関係が築きにくかったり、保護者自身が課題を抱え、支援を必要とする、いわゆる「気になる保護者」の存在がある。これまで療育や教育、子育て支援の現場で数多くの心理臨床経験をもつ著者が、「保護者理解」の事例を通して、保育・教育現場でできる支援について考える。虐待やうつ、非行などの定義や現状についても基礎知識として押さえるほか、「児童虐待」を中心に「子育て不安」や「発達障害」「非行」などの事例を取り上げる。保育や教育現場で子どもやその家族を支援する保育者や教員、心理専門職に就く人に向けて読んでいただきたい一冊。
まえがき
序章 保育・教育現場の気になる保護者たち
第1章 なぜ「内なる子ども」との対話なのか
1 「内なる子ども」とは誰なのか
2 「内なる子ども」と発達理論
1.エリクソンのライフサイクル論
2.フロイトの心理性的発達理論
3 重なる時間軸という視点から
第2章 気になる保護者の心理アセスメント
1 家族の心理アセスメントと家族システム論
1.家族の心理アセスメント
2.システムとしての家族
3.機能不全家族とアダルトチルドレン
2 精神疾患・精神障害の基礎理解
1.うつ病(双極性及び関連障害・単極性うつ病など)
2.不安障害・強迫関連障害・心的外傷およびストレス因関連障害など
3.統合失調症スペクトラム
3 発達障害の基礎理解
4 児童虐待の基礎理解
1.児童虐待の定義と現状
2.児童虐待への基本的な対応
5 外国につながる保護者たちの基礎理解
第3章 事例にみる気になる保護者たち
1 気になる子どもの気になる保護者たち
1.離乳食を食べてくれない子
2.難聴と虐待を疑われた子
3.言葉の遅い子
4.友だちとのトラブルが絶えない子
5.すぐに部屋を飛び出してしまう子
6.不登校の本当の理由
7.自分の性別に違和感を抱く中学生
8.盗みを繰り返す少女の話
2 その他の気になる保護者たち
1.産後うつの母
2.統合失調症の母
3.クレームの多い父
第4章 「内なる子ども」との対話を通して
─被虐待体験をもつ母と子の物語─
1.母と子の物語(現在)
2.サチさんと「内なる子ども」の物語(交差する現在と過去)
3.「内なる子ども」-小さなサチの物語(過去)
4.サチさんとミクとアユムの物語(現在そして未来へ)
5.母と子と「内なる子ども」の物語を考えるー負の連鎖を断ち切るために
あとがき
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