怪我をしながら四国の山里で頑固に生きる父と、変りゆく生活に翻弄されながらも、将来に向かって生きようとする若者たちの姿を描いた物語!!
昭和四〇年、焦土になった国土の復興がまだ盛んだった頃、田舎の山や川から運び出された砂や材木が、都会の道路やビルに変わっていく。若者たちも田舎を離れ、集団就職で都会に出ていく。
幼い時に母親を亡くし、男手一つで育てられてきた兄妹・健一と美穂。健一も都会の生活に憧れて、山里を離れ、大阪に出て行く。
山里でも、日常に使う火は薪や木炭からガスや灯油に変わってきていた。
怪我をして体が自由に動かなくなっても、山の生活にすがって生きる父・勝治。高校を卒業したら都会で学びたいと思いながら、体の不自由な父を助けて生きなければと思う娘・美穂……。
大阪で働いている筈の長男・健一からは、もう三年余りも音沙汰がない。
年の瀬も迫ったある日の午後だった。その健一が、突然田舎の我が家の庭先に姿を見せた。ばくちに手を染めていることをしった父・勝治は、娘・美穂が腰にすがって止めるのも聞かず、健一に手をあげる。
父に叩かれて都会に戻っていく健一……。
健一と一緒に来たのだろうか? 一人の若い女が雪の降り始めた山里の道を駅の方に向かって去っていく。
「お姉さーーん、お姉さん待って……!」
後を追いかける美穂……。
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