▼空海が命を賭した書ーー。
官僚を目指していた空海が大学を辞め、二十四歳で著した『三教指帰』は、
儒教、道教、仏教を戯曲形式で比較し、仏教が最上であることを親族に説得する
「出家宣言の書」とこれまで理解されてきた。
本書は、激動の時代背景や神話・伝承、『日本書紀』などの歴史書と照らし合わせ、
『三教指帰』執筆の隠された意図に迫る。
稀代の専制君主・桓武天皇に対する憤りと
古来、天皇に仕えてきた祖先への誇りー。
両者に引き裂かれた若き空海が、命を賭して伝えようとしたのは何か?
プロローグ──憤懣(ふんまん)の書──
第1章 空海の決意──天皇への忠と祖先への孝
1 空海とは誰か──これまでのイメージ
2 来歴──誰に向けて書かれたか
3 時代背景
4 空海の時代の儒・道・仏
第2章 『聾瞽指帰(ろうこしいき)』を読み解く
1 表と裏のメッセージ
2 儒教の篇──暴君は誰か
3 道教の篇──風狂の隠者たち
4 仏教の篇──真の忠孝とは何か
第3章 忠孝の行(ゆ)く末(すえ)
1 『聾瞽指帰』のその後
2 密教との出会い
3 完成の日──天皇即位の伝承
4 忠孝の行く末
主要参考文献
あとがき
図版出典一覧
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