労災認定の可否をめぐる行政審査と司法審査の相剋
労働者が業務等に起因してケガや病気・死亡した場合は労働災害と認定され、労災補償として保険給付が行われます。
本書は、行政機関が行う労災認定の可否をめぐる業務起因性判定に関する「行政審査」(労基署の決定→労働保険審査官の審査→労働保険審査会の再審査)による決定・裁決実務の実相を探るとともに、不支給処分を受けた被災者がその取消しを求める行政訴訟の「司法審査」の判断基準を考察します。
また、「職業病=労災民事訴訟」事案の司法判断の理論的・実務的動向もあわせ検討・考察し、公平かつ公正な法的処理の実務的課題と目指すべき方向を提言しています。
「働く人々の労災補償問題はこの方向で考えてはどうか」と、労働災害の法理論の研究者、行政実務・法曹実務に携わる人々に問いかけ、検討資料を提供する書。
はじめに
1 労働災害(業務災害)補償の現況
--厚生労働省の諸統計
2 労災の行政審査
--医学事項と法学事項の視覚
3 行政審査の医学事項と裁判所
--業務上外・残存障害・治ゆ・再発の認定
A 業務上認定(職業性疾病)
B 治ゆ・障害・再発認定の骨格
4 行政審査の法学事項と裁判所
--受給資格・業務性・通勤災害・治療機会の喪失理論
A 非労働者の受給資格
B 業務性(業務上の事由)
C 通勤災害の近況
D 脳・心「治療機会喪失」の理論による救済ー地公災の枠組み
E 「業務の質的な面を加味し」という新手法ー国公災を契機として
5 労災民訴をめぐるいくつかの実務的課題
--職業性疾病を中心に
【記録集・判例索引】
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