『雄鶏とアルルカン』は1918年にフランスで出版されたジャン・コクトーによる音楽小論であり、舞踏や戯曲や舞台美術などにも論及する総合芸術論である。コクトー特有の気取りと洒落を効かせたアフォリズムの体裁で綴られた本書には100年程前に執筆されたとは思えないほどの先見性があり、いま摘んできたばかりの薔薇の潤いと棘がある。概要はエリック・サティやフランス6人組によるシンプルで洗練されたフランス音楽を鼓舞する宣言の書であり、リヒャルト・ワーグナーのドイツロマン派やクロード・ドビュッシーらによる象徴主義や印象主義などに対する批判の書である。そのほか前衛的バレエ『パラード』やセルゲイ・ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシアバレエ団)、イーゴリ・ストラヴィンスキーの『春の祭典』などを軽快に論じている。尚、この無削除版が翻訳されるのは本邦初である。本文より)ペンキにご注意、という貼紙がある。そこにこう書き加える、音楽にもご注意と。
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