【POD】『陰翳礼讃』を読むー谷崎潤一郎のエロティシズム
谷崎潤一郎には「白」への偏愛(白のフェティッシュ)があり、白はつねに女性の肌を連想させる。食べ物も例外ではなく、蒲鉾、豆腐、はんぺん、白身の魚にも女性の肌を重ねてみていたようである。ほかに、汚いもの、不潔なものを偏愛する傾向もあり、これは自虐性の裏返しであって、さらに発展させれば、自分を貶めることによって逆に相手の崇高さを一層際立たせるというマゾヒズムの一面があることはよく知られている。しかし、これら谷崎論にも限界があり、本書ではこの点についても掘り下げている。こうした谷崎の資質に寄り添いながら、あらためて『陰翳礼讃』を読み返してみると、これまでとは違った風景が見えてくる。谷崎文学の魅力を再発見するよすがとなれば幸いである。
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