マタギとはただ獲物を狩るだけではない
猪俣昭夫さんは福島県金山町に江戸時代前から住み着いたマタギの系譜を継ぐ奥
会津最後のひとり。これまでに仕留めたクマは80頭以上。70歳を超える今でも冬は
猟へ向かう。
しかし、ただクマを仕留めるだけでなく、「必要に応じて獲物を獲り、数を調整するこ
とで動物界の生態系を守り、人間と自然の共生を図ることが自らの使命」だと考えている。
日本ミツバチの飼育、ヒメマスの養殖、山菜採りやキノコ狩りなど、自然の恵
みを享受しながら暮らしている猪俣さんに憧れ、師事したいという2人の若者も
現われた。
奥会津の最後のマタギに密着した。
【編集担当からのおすすめ情報】
マタギである猪俣さんは単なる猟師=ハンターではなく、自然を知り、自然を繁栄させていく術を我々に教えてくれる「サステナブル」な生き方の実践者でもあります。その心豊かな生き方を知ることは、我々の生き方を問うものとなるはずです。
レビュー(3件)
滝田さんという人が素晴らしい。 マタギ文化の伝承の賜物なんだろう。
BE-PALで一番最初に読む連載記事です。 鉄砲撃ちの一人として、猪俣さんの考え方、生き方はとても尊敬します。
マタギ≠狩人
マタギと聞くと深い山に分け入ってクマを狩る狩人のようなイメージだが,「生態系を守り人間と自然の共生を図ることが自らの使命」というだけあって,自然を知り共存する生き方を貫いている。 そのため,山菜採りやキノコ狩りなど,自然の恵みを享受するだけでなく,ミツバチやヒメマスの養殖などにも取り組んでいることが書かれている。 帯の椎名誠ではないが,いろりをはさみながら,一晩じっくりと酒を酌み交わしたい感じがする。