【輸入盤】ヴァイオリンと通奏低音のための作品集 カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
ステュアート朝の末裔に捧げられた作品をゆかりある団体の演奏で
テッサリーニ:ヴァイオリンと通奏低音のための作品集
カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
イタリア・バロック後期の知られざる作曲家、カルロ・テッサリーニ[c.1690-c.1767]が、1740年にローマで作曲し、同地のエンリーコ・ストゥアルト(ヨーク公ヘンリー・ステュアート)に捧げたヴァイオリンと通奏低音のための作品集。演奏は、そのヨーク公ヘンリー由来の名前を持つイタリアの古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」が担当し、ブックレット(英文)の解説も手がけています。
カルロ・テッサリーニ
イタリア諸都市の大聖堂や宮廷でヴァイオリニストを務めながら作曲やツアーもおこない、活動範囲はオランダやイギリス、ドイツ、モラヴィア、フランスにも及んだと推測されているテッサリーニは、最後はアムステルダムで亡くなっています。
アレッタメント
「アレッタメント」はイタリア語で「誘惑」や「魅力」を意味する言葉で、「アレッタメンティ」はその複数形。出版譜のタイトルは「アレッタメンティ・ダ・カメラ」なので「室内アレッタメント集」となります。
作風はヴィヴァルディやコレッリにも通じる豊かな旋律に恵まれたもので、自身がヴァイオリニストとしても活躍していたことからヴァイオリン・パートの活躍には素晴らしいものがあります。
5つのアレッタメントは、それぞれ急ー緩ー急の3楽章で構成されたソナタになっており、終曲のカプリッチョは、技巧的な2部分で構成。最後の10分近い変奏曲は、次第に複雑化する力作です。
ローマで出版
このアルバムに収録された「アレッタメント集」は、1740年1月に出版されたもので、当時ローマで有名だった15歳の「ヨーク公ヘンリー殿下(ヨルク公エンリーコ殿下)」に捧げられています。
ステュアート朝の末裔
ヨーク公ヘンリーは、1688年のクーデター(名誉革命)により追放・廃位されたイングランド王ジェームズ2世の孫。ローマのムーティ宮に生まれ、22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごしています。
早くからチェロを演奏するなど熱心な音楽愛好家でもあったヨーク公ヘンリーへの配慮からか、楽譜には「ヴァイオリン・ソロとヴィオロンチェロのための」と記されています。
演奏者情報◆ カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト
1998年にローマ近郊のフラスカーティで設立されたイタリアの古楽アンサンブルで、名前は同地の司祭枢機卿エンリーコ・ストゥアルト[1725-1807]に由来します。エンリーコ(ヘンリー)は、英国ステュアート朝の末裔で、亡命生活を送っていた父ジェームズの次男としてローマに誕生。22歳でローマ教皇領の枢機卿となり、82歳でローマ教皇領のフラスカーティで亡くなるまでカトリックの聖職者として過ごした人物で、チェロも演奏する音楽愛好家で、30年以上に渡ってフラスカーティの文化的発展にも寄与。同地のアボラチェンセ図書館には、エンリーコが作曲家のニコラ・ポルポラに委嘱したマニフィカトの楽譜なども収蔵されています。
17世紀と18世紀のレパートリーを専門とする古楽アンサンブル「カペッラ・ムジカーレ・エンリーコ・ストゥアルト」は、演奏曲目に合わせて編成を変更して活動するため、メンバー構成も柔軟です。これまで、イタリアのほか、ドイツ、イギリス、スペイン、カナダ、シリア、ザンビア、ロシア、フランス、フィンランド、オランダ、チェコなどで演奏。
今回のレコーディングにあたっては、主要メンバーのアンドレア・ラッタルーロ(チェロ)とミケーレ・カッレーカ(テオルボ、ギター)に、ソリストとして有名なガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)とシモーネ・ピエリーニ(チェンバロ)が加わっています。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
◆ ガブリエーレ・プロ(ヴァイオリン)
1997年、ローマで誕生。6歳からヴァイオリンを学び始め、18歳でラクイラ・A.カゼッラ音楽院を優秀な成績で卒業。早くから古楽レパ
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