【輸入盤】バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲+様々なチェロ作品 ジョヴァンニ・ソッリマ(ピッコロ・チェロ)(3CD)
3枚目のCDでは無伴奏チェロの歴史と様々な可能性を検証
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲、他(3CD)
ジョヴァンニ・ソッリマ(ピッコロ・チェロ)
来日公演でもおなじみの型破りなチェロ奏者、ジョヴァンニ・ソッリマがバッハの無伴奏チェロ組曲をレコーディング。コロナ禍のイタリア、夜間外出禁止令下での生活が続く中、ソッリマは無伴奏チェロ組曲とその周辺をじっくり研究することができたといい、その成果となったのがこの2021年3月に収録された3枚組CDです。CD3にはバッハの無伴奏チェロ組曲についてさらに多角的に捉えられるよう他の作曲家の作品も収録しています。
ブックレット(英語・12ページ)にはソッリマ本人による各曲の解説のほか、写真も多数掲載。
ピッコロ・チェロ
バッハの時代のチェロは現代のような楽器ではなかったため、近年ではさまざまなアプローチがおこなわれていますが、ここでは5弦のピッコロ・チェロを用いてガット弦を張り、ピッチはA=415Hzを採用して臨んでいます。
よく弾み、よく歌い、よく刻むソッリマのスタイルは推進力に富み、バロック作品だけでなく現代作品との相性もきわめて良好。抽象的な美しさから動物の鳴き真似(?)まで自在に表現しており、通常のチェロでは演奏至難とされる組曲第6番も軽やかに鮮やかにリズミカルに演奏しています。
先人による無伴奏作品(CD3/トラック5)
かつては無伴奏チェロのための音楽はバッハが最初に書いたと信じられていましたが、普通に考えればアンサンブルを気にせず書けるシンプルな形態でもあり、実際にバッハの前にも無伴奏チェロ作品は存在しています。
チェロ発祥の地であるイタリアの作曲家、ドメニコ・ガッリ [1649-1697] は、象嵌細工のチェロでも知られる楽器製作者で、チェロ奏者、彫刻家、装飾家、製図家、書家としても活躍した多才な人物。パトロンのモデナ=レッジョ公、フランチェスコ2世・デステ [1660-1694] は音楽愛好家であり、ガッリは彼のためにヘラクレスの物語を象嵌細工でかたどったチェロを製作し、その楽器のソロで奏でる音楽も作曲。このアルバムに収録されたチェロ・ソナタ第2番は、無伴奏チェロのための曲集「音楽の楽しみ」に含まれるもので、バッハが6歳だった1691年に出版されています。
ちなみにガッリと同じ宮廷に一持期滞在していたドメニコ・ガブリエリ [1650-1690] も「無伴奏チェロのため7つのリチェルカーリ」を1688年に出版していました。
無伴奏から伴奏へ(CD3/トラック2)
1690年から1720年頃に活動したと考えられているイタリアのニコロ・サングイナッツォも36の無伴奏チェロ曲集から成る練習曲集を遺しています。自分の名前を逆に綴った「オロチン・オッツァニウニャス、チェロのディレッタント」という筆名も用いていた人物ですが、ここでは伴奏付きの「パルティータ・ディ・ガヴォーテ・ソプラ・ウン・バッソ」(低音によるガヴォット変奏曲)を選曲。ディレッタントゆえか奇妙な響きも聴こえてくる9分ほどの手の込んだ音楽で、聴きごたえがあります。
無伴奏からピアノ伴奏へ(CD3/トラック7、トラック3)
バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータとパガニーニのカプリース(23曲)をピアノ伴奏付きに編曲していた晩年(といっても四十代)のシューマンは、無伴奏ヴァイオリンの出版が決まったことから、無伴奏チェロ組曲もピアノ伴奏付きに編曲して出版交渉をおこなうものの難航し、そのうちの4曲を初演したりするものの反応は無く、シューマンの死後しばらくして楽譜も逸失。1980年代になって第3番のコピーが見つかって話題になっていました。ここではジーグを収録しています。
もうひとつのピアノ編曲はメンデルスゾーンの友人でもあったチェロ奏者で作曲家のアルフレード・ピアッティ [1822-1901] によるもので、こちらは第1番のジーグを収録。
無伴奏からチェロ・アンサンブルへ(CD3/トラック9)
グノーのアヴェ・マリアと同じく、バッハの音楽と自分の旋律を組み合わせたもので、タイトルは「祈り」。作曲者のルイジ・フォリーノ [1868-1936] はイタリアとアルゼンチンで活躍した人物で、第4番プレリュードをもとに4人のチェロ・アンサンブルのために書かれた「祈り」でもどこかアルゼンチン・タンゴ風な響きが聴かれます。
無伴奏から弦楽オケ伴奏へ(CD3/トラック10〜15)
イタリア政府による人種法施行により、1939年にアメリカに移住したカステルヌオーヴォ=テデスコが翌1940年に編曲。カステルヌオーヴォ=テデ
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