篠原さんの人生は実に、昭和史そのものの出来事と直面して歩まれたと思う。個人の生活史ではありながら、昭和総体の重い検証でもあることに気付かせられる。そうした篠原さんの昭和を検証するまことの言葉を「口語り」として纏めさせて頂くことにした。ノンフィクション作家保阪正康は「昭和史を調べる中で四千人の方に話をうかがってきたが、一割の人は本当のこと、もう一割は最初からうそを言う。八割の人は記憶を美化し、操作する。この八割というのは実は我々なんです。」と言っている。(朝日新聞)その記憶を美化し操作する人間の情動は「調べる」ことの中に生ずる人間関係がそれを決定付けるものであろう。「調べる」ことを私は行わない。それは私が本書に試みる対面対話「語り・聴く」「口語り」の意味あいと、人間関係において大いに異質と言わなければならない。「口語り」の可能性
出会いの美しさ 1
序章 思い出すまま 11
1 父親・又平?母親・ケサノの事 11
2 母ケサノの家・篠原の伝説 16
3 生まれは関東大震災の次の年 23
4 向島の記憶 29
5 大きくなったらアフリカに行こう 36
6 「都民祭り」の思い出 42
7 神田明神のお神輿が手術室に 45
8 江戸川区登録無形文化財保持者へ 48
第一章 風鈴の足跡 53
1 ガラスは宝物 53
2 瑠璃、玻璃ガラスの歴史 57
第二章 風鈴の歴史 69
1 風鈴は法然上人と共に 69
2 風鈴は魔除けの音 75
第三章 風鈴師の民俗と伝承 81
1 たたら祭り 81
2 かっぽれ 82
3 江戸東京博物館柿落しで「かっぽれ」を踊る 85
4 職人伝承・紀伊国屋文左衛門 88
5 篠原家の正月参り 94
第四章 風鈴再生 103
1 篠原工房の江戸風鈴 103
2 あまり思い出したくない戦争体験
--インパール作戦の後に出征 110
3 見附とは生涯の縁 120
4 お前の嫁はきまっている 126
5 「光クラブ事件」 129
6 街商にでる 134
7 風鈴再生ーー民芸品の対面販売 141
8 現代伝説の黄色い風鈴・招き猫 146
9 招き猫伝説 148
第五章 人生哲学「三惚れ」 153
1 江戸川区に惚れる 153
2 江戸川伝説 159
3 名前をいただいた お寺さんに行く 171
4 幽霊の話 173
第六章 日本の伝統工芸を守る 179
1 江戸川区の職人 179
2 江戸川区の伝統工芸 181
3 「江戸風鈴」資料館 190<b
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