本書は、アメリカ大統領ハーバート・フーバーの大著『裏切られた自由』を翻訳した歴史家・渡辺惣樹氏が、同書の読みどころ紹介しつつ、新解釈の「日米戦争史」を提示する一冊です。フーバーは自身の感情を抑え、可能なかぎり「資料に語らせる」ことを心掛けて『裏切られた自由』を書き上げました。世界各国の政治指導者、また米軍の最高幹部とも直接やりとりできる立場にいたフーバーの記録について、著者は「第二次世界大戦を、この『裏切られた自由』に触れずして語ることはもはやできない」と書いています。第二次世界大戦にいたった真の原因は、じつはルーズベルト外交にあったのだという『裏切られた自由』の主張をコンパクトに手際よく紹介しながら、本書はまったく新しい第二次世界大戦像を浮かび上がらせます。原爆投下についても、米軍幹部の言葉を引用することで批判的に記述するなど、アメリカの元国家元首としては異例の記述も満載です。現代史に関心のある読者なら、文句なしに関心をもつ一冊といえます。
レビュー(10件)
フーバー元大統領の「裏切られた自由」は大著(しかも高価)ですし、日本について書かれている部分は一部なので、日本について書かれた部分のエッセンスを本著で読めるのは非常に良かったです。 また、東京裁判史観に縛られた今の我々に違う歴史観を提示してくれます。令和の時代を生きる子どもたちに伝えたい内容です。