多くの人びとは生活の中で、「季節」をより身近に感じている。本書が「季節」の記述に重点を置いたのは、そのためである。とくに季節変化に富む日本では、生活と文化の中に、「季節」が深く、あるいは微妙に投影している。そうしたものにも、本書では触れてみた。多くの場合、気候は平均値で表現される。しかし実際に人びとの関心が向けられるのは、平均値からいちじるしくかたよった気候のことが多い。本書では「季節はずれの気温」「めったに起こらない大雨」なども記述し、平均値を構成する気候の動態を明らかにした。また、日本の気候の特徴を、世界各地の気候との比較によって浮彫りにすることに努めた。そして、アジア太平洋地域の気象現象に関する新しい知識によって、日本の気候の形成過程を解明することを試みた。
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