- 315
- 4.51
1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまったー。「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生をやめ次第に朽ちていく体。前例なき治療を続ける医療スタッフの苦悩。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。
1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまったー。「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生をやめ次第に朽ちていく体。前例なき治療を続ける医療スタッフの苦悩。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。
レビュー(315件)
原子力は諸刃の剣
原子力と言えば、昔は期待の分野でしたが、今や危険視されることも。正しい運用やデータ改竄なしに、きちんと扱えるように人間はいつの日かなるのだろうか。今までの悲惨な過去を繰り返さないためにも。
みんなが忘れている・目を背けていること
平成11年に茨城県東海村で起きた JCO臨界事故のドキュメンタリー本です。 原子力や、医療の専門家ではない著者が、 取材で実際に見聞きし、勉強を重ね、 報道人として多くの人に伝えたいことを、 わかりやすくかつ客観的に 刻々と変転していく被害者の症状、 それを取り巻き必死で対応しようとしていく人達の姿を 書き綴っていいます。 十数年前に盛んにニュースや報道特集で見て、 分かっていたつもりの事件でしたが、 改めて読んでみると、 本当に背筋の凍る思いで一気に いや、事実が重すぎて、時には本を一時置きながら、 読みました。 3.11の翌日にアナウンサーが 簡単に「臨界」という単語を読み上げたとき 私がすぐにはピンとこなかったものの、 一瞬おぞけを感じたのは この事件の報道をうっすら覚えていたからなのでしょう。 皆様もご承知のとおり 3.11後本日に至るまで福島原発の(正確には国内総ての原発を含む) 「臨界」の危機は依然として目の前にあります。 また、その危機を克服する手段・見通しさえ全く立っていないのが現状です。 電力需要量云々より致命的な問題を皆が論じることなく 物事が決まっていく中、 JCOのことなら知っている、と思われるかもしれませんが 一度立ち止まって本書を手に取ってみることをお勧めします。 価値観が変わる一冊になるかもしれません。
放射線の恐ろしさを知りたい人へ
放射線量に関して「直ちに健康に害は無い」と言っていた人たちにも読んでいただきたい一冊です。
繰り返される悲劇
福島原発の事故をテレビやネットで見て、東海村の事故を改めて知りたくなりました。大内さんや篠原さんの治療の様子は放射線被曝の恐ろしさを伝えてくれます。 安全な被曝量なんてありません。「人命軽視が甚だしい。責任ある方々の猛省を促したい。」と言われた前川医師の言葉は伝わらなかったのだろう・・・。
よくわかりました
放射能を浴びると具体的に何か起こるかよくわかりました。頑張っても頑張っても治すことができない。治療者の葛藤も理解でき、なんとも言えない気持ちになりました。 今回の場合は大量被爆であり、微量の場合や内部被爆の場合はまた違ってくると思います。いっしょくたにして大騒ぎするようなまねは避けたいと思っています。