【英国最高の文学賞ブッカー賞受賞作】
詩的散文。
どこまでも広がる物語の唐草模様。
途中で止めるわけにはいかない。池澤夏樹
廃墟のごとき屋敷で
顔も名前も失った男が語る
美しく妖しい物語
砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた男は顔も名前も失い、廃墟のごとき屋敷に辿り着いた。世界からとり残されたような場所へ、ひとりまたひとりと訪れる、戦争の傷を抱えたひとびと。それぞれの哀しみが語られるとともに、男の秘密もまたゆるやかに、しかし抗いがたい必然性をもって解かれてゆく──英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く至上の長編小説。訳者あとがき=土屋政雄/解説=石川美南
レビュー(11件)
ラストの感動!
Bsで、「イングリッシュペイシェント」を見た。解らなかった。本書を購入した。帯に、詩的散文。どこまでも広がる物語の唐草模様。とある。まさにアラベスクのなかをさまよう。四人の尼僧院でのであい。語られる各々の身の上話で無理ない展開。「完全無欠の腿を持つ無欠の天使~自分を眠りの中に解き放った」私を眠りの中に誘う。「鳥は枯れ枝の多い木を好むんだ。」「男は女に負い目を感じたくない」 ラスト近く、ヒロシマ、ナガサキの原爆が落ちた。それぞれの別れ。映画と違うところだ。イングリッシュにこだわる意味が見えてきた。