1492年、スペイン王国はイスラム勢力からイベリア半島を奪還。同年発見された新大陸からの銀資産を背景に、16世紀スペインは一大世界帝国へのし上がった。カルロス1世とその息子フェリーペ2世によるハプスブルク家の支配で、スペインは黄金時代を迎える。だがその繁栄の裏で、大国の残虐非道ぶりを糾弾する怪文書がヨーロッパ各地を駆け巡る。新大陸での先住民虐殺、異端審問の過酷な拷問、王室内部のスキャンダル…「噂」が次第に「事実」として語られ、「黒い伝説」はスペイン帝国凋落の一因となったー。21世紀の今日にいたるまで、スペインに対する根深い偏見のもととなったプロパガンダは、一体誰が、どんな目的で流布させたのか。そこにはいかなる事実が含まれるのか。ヨーロッパ史の泰斗が緻密な検証から、歴史の「真実」が形作られる過程をあぶり出す。
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