19世紀末葉から20世紀初頭、近代化へと向かう中国はその道徳意識にも大きな変化が生じた。清末の動乱は聖人を志す理学の教えにどのような影響を及ぼしたのか。西洋勢力の進出から広まった倫理学はどのようにして人々に受け入れられたのか。当時の道徳観を示すテクストを豊富に紹介し、近代以前の理学の様相と新時代の倫理学の特徴を鮮やかに浮かび上がらせる。
台湾人研究者が中国の思想・文学・歴史を紐解く学術専門書シリーズ第一弾。
「台湾漢学研究叢書」刊行の辞(王徳威)
日本語版序
第一章 はじめに
第二章 理学の黄金時代とその余韻
第三章 理学家の道徳観ーー『大学』『近思録』『伝習録』を例として
一、『大学』--「自天子以至於庶人、一是皆以修身為本」
二、『近思録』--「聖賢気象」
三、『伝習録』--「致良知」
四、 おわりに
第四章 太平天国の挑戦と義理学の再興
第五章 倫理の近代性の追求ーー梁啓超の「道徳革命」とその追随者たち
一、はじめに
二、『新民説』--道徳の革命
三、『倫理教科書』--「倫理学」の制度化
四、『中国倫理学史』--道徳の系譜学
五、おわりに
第六章 清末民初道徳意識の転化についての若干の観察
一、道徳は「有意識の善指向」
二、脱形而上学の倫理観
三、「権利」を基底とする倫理思想へ
第七章 おわりに
引用書目
『義理学から倫理学へーー清末民初の道徳意識の転化』解説(石井剛)
訳者あとがき(工藤卓司)
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