「人の不幸でお金をとる」と長らく批判され、また遺体を扱う事業として蔑視されてきた葬祭業者たちは、葬儀をサービス業としてどのように成立させたのか。フィールドワークの成果も織り込んで、知られざる葬祭業の戦後史と私たちの死生観の変容を描き出す。
序章 葬祭事業者にとっての終活ブームとケア
1 終活ブームにおける葬儀
2 職業上、死にかかわることーーケアと商品
3 本書の構成
第1章 葬儀サービスを捉えるために
1 商品化・消費社会での死
2 葬儀サービスでの消費者との相互行為とその特性について
3 死を商業的に扱うことによるジレンマ
4 葬祭業者の感情的不協和と職業イメージ
5 葬祭業から見る近代化
第2章 戦後の葬祭業界の変動要因
1 戦後の経済成長と人口の変化
2 戦後の葬祭業界
3 行政的な主導と葬儀の経済・文化的価値ーー一九四五ー六〇年代
4 マナーの消費と葬儀サービスの開発ーー一九七〇-八〇年代
5 「心」の時代の葬儀ーー一九九〇-二〇一〇年代
6 リスク消費としての終活ブームーー二〇一〇年代以降
第3章 商品としての儀礼空間ーー景観と住空間から排除された死
1 葬儀場所の変化
2 死の排除をめぐる「景観」というレトリック
3 葬儀会館の商品価値
4 人々の視線と行為を意識した死の管理
第4章 葬祭業教育と遺族へのかかわり
1 一九八〇年代の葬祭業者たちが感じた職業イメージ
2 身体の意識化
3 企業教育での利他的側面と商業的側面
4 地域のなかでのグリーフケア
終章 葬祭事業という死のリアリティ
1 商品化された/商品的ではない死
2 生前から死後の準備を推進するーー「ライフエンディング」とは
3 「死」から「生」のなかのリスクへ
あとがき
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