『世界文学の扉をひらく 第四の扉』はハインリッヒ・フォン・クライストの『チリの地震』を二章にまたがって扱っている。同一作品ではあるが、そのうち第二章は、副題にも暗示されているように、読者としてのわたしの主観にいささか偏しているともみなされよう。
だが、もともと本叢書の編集上のもくろみそのものが、発言者それぞれの感想と意見に、個人としての「わたし」という主観の影を反映させたいというところにあった。
自己を語るとは、自己の感動を語ることである。
感動すること 愛すること 望むこと 身ぶるいすること 生きること
人生の深淵を見た人たちの五つの物語。
第一章 現代の奈落に向かってーー クライスト作『チリの地震』
第二章 白昼に夢見る人間ーー 『チリの地震』私的再読
第三章 密林に囚われてーー ウォー作『ディケンズを愛した男』
第四章 食わずぎらいと思うなーーカフカ作『断食芸人』
第五章 断崖絶壁の二人だがーー チェーホフ作『犬を連れた奥さん』
あとがき
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