近年の生態系生態学は方法論や測定技術において大きく発展し、地球環境問題の解明への大胆なチャレンジを行っている。生態系研究の成果は、環境問題の理解において重要な基礎知識を提供してきている。また、これからは生態系の機能を生かした環境の保全が望まれている。本書はIGBP(国際地球ー生物学計画)に参画した研究者が、最近の生態系生態学の成果をもとに大学学部、大学院の学生を対象に生態系研究の基礎と実際の研究例を紹介することにより、生態系の科学的な研究方法を理解してもらうことを目的としている。
第1章 地球環境変化と植物の生産機能
1.1 光合成の環境応答
1.2 植物群落の構造と機能
1.3 多種共存と個体間競争
1.4 植物個体の成長
第2章 植物個体群,群落の機能
2.1 植物のフェノロジー
2.2 森林の構造と生産の応答
2.3 環境変動への森林の応答
第3章 地球環境と森林の物質循環
3.1 森林生態系における分解系の働き
3.2 森林生態系をめぐる物質循環
第4章 陸水生態系の構造と機能
4.1 森林から河川への炭素と窒素の流出
4.2 炭素代謝からみた湖沼生態系の機能
第5章 生態系の機能をフラックスから探る
5.1 大気ー森林間の炭素フラックス
5.2 CO2の発生起源ごとの寄与
5.3 大気ー森林ー河川系での炭素フラックス
5.4 水系のガス代謝
第6章 集水域としての陸域生態系
6.1 東アジアの陸域生態系の特性と環境応答
6.2 生態系の物質動態プロセスとその時空間スケール
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