【POD】ファイナンス・リース取引測定のフレームワーク
リース取引の規模はますます拡大し, その形態も極めて多様化しており,それに応じてリース取引の経済的実質が法形式から乖離したことにより,従来の測定方法に基礎をおいた会計情報が企業の経済的実態を的確にあらわさないという問題が生じてきた.とくにリース取引のうちファイナンス・リース取引についてその経済的実質を的確に反映するようにその取引を測定し,会計情報として利害関係者に開示されることが求められた. 本論文では,会計理論のフレームワークにおいて,まずリース取引のうちファイナンス・リース取引(金融取引)一般について,そして次にその特殊取引形態としてのセール・アンド・リースバック取引とレバレッジド・リース取引について,それぞれを経済的実質に基づいて分類し,分類された各タイプの取引の経済的実質を的確に写像する測定方法を提案することを研究目的としている. 本書は,筆者が東京理科大学大学院に提出した課程博士論文に加筆修正したものである. 日本において,2023年5月,企業会計基準委員会は「リースに関する会計基準(案)」等を公表し,ここではじめて,いわゆる解約不能のオペレーティング・リース取引について,借手がリース財産の使用権について資産計上し,それに対するリース債務を負債計上するという測定方法を採用した. 国外に目を向けると,2016年1月に国際会計基準審議会が,国際財務報告基準第16号(以下,「IFRS No.16」という.)を公表し,一方,米国財務会計基準審議会は,2016年2月に「Accounting Standards Update No.2016-02 Lease Topic842(以下,「Topic842」という.)」を公表し,両者において,解約不能のオペレーティング・リース取引の資産化・負債化について規定されるに至った. 本書においては,日本における「リース取引に関する会計基準」および「リースに関する会計基準(案)」等,国外におけるIFRS No.16およびTopic842が公表される以前のファイナンス・リース取引測定のフレームワークについて議論している点に注意をしていただきたい.
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