英文学作品の語りの分析を通して、「物語のレトリック」を読み取るユニークな研究! 「物語は古代ギリシア神話、逸話、短編の物語、長編の物語から現代を代表する宇宙を舞台にしたSFの物語に至るまで多種多様である。本書は、意外に見落とされがな古代の詩学や弁論術を元に発展してきた「修辞学」の面白さを踏まえ、語りの理論として『物語のレトリック』が重要であることを強調したい。それは人間の本質を抉り出す際のとても好都合な方法であり、過去の優れた語り手は皆それぞれの物語の産出方法を熟知しており、それに基づいて物語を語り伝えているからである。」(「序文」より)
第I章 語りとの関係でみる物語の深層構造
第II章 語り手はいかにして生まれたかーースティーヴン・V. ベネの『自由はめったに買えるものではない』
第III章 語りと視点の操作ーージェイムズ・サーバーの『ツグミの巣籠もり』
第IV章 語りと思考の動きーージェイムズ・ジョイスの『死者たち』
第V章 語りとサスペンスの旋律的対位ーーウイルバー・D. スティールの『足音』 第VI章 語りとポストモダンの精神分析ーーポール・ボウルズの『あなたは私ではない』
第VII章 語りとアリュージョンーーフラナリー・オコナーの『善人はめったに見つかるものではない』--深南部の伝統と怒り 第VIII章 詩における語りの意義ーーパーシー・B.シェリーの『オジマンディアス』--その思想と想像力
第IX章 語りと人間の誕生の宿命的悲劇ーージョゼフ・コンラッドの『白痴』の謎 第X章 語りにおける作者・テクスト・読者の関係構造ーーキャサリン・マンスフィールドの『見知らぬ者』及びD. H. ロレンスの『バラ園の影』
第XI章 語りとレトリックの関係構造ーーヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』、キャサリン・A.ポーターの『魔術』、キャサリン・マンスフィールドの『上流夫人のメイド』--レトリックの物語
第XII章 「悲劇構造の技法」から「物語構造の技法」へーーギリシア悲劇から学ぶ
第XIII章 語りのプロットと古典悲劇の構造ーージェフリー・チョーサーの『トロイラスとクリセイデ』における「形式」
第XIV章 語りのプロットと中世喜劇の構造ーージェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』
第XV章 プロット構成の技法ーー語りの構造分析 第
XVI章 私の語りの構造分析に関する修辞的用語 終章 私が選んだ魔術師たちーー作家と作品
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