なぜ人はフィクションを楽しみ、忌避するのか
フランスを代表する文学理論家・美学研究者であるシェフェールが一九九九年に発表した本書は、その後のフィクション理論に多大な影響を与えた。
「なぜ」フィクションかと問うことは、「なぜ」人間がフィクションに身をゆだね、喜びを感じるのか、あるいは逆に、ときには「なぜ」フィクションを忌避するのかと問うことを意味する。
物語論、哲学、人類学、心理学、認知科学等の観点から、文学や映画からビデオゲームにいたるあらゆるフィクションの形式を分析し、フィクションを人類に普遍的に備わる「心的能力」としてとらえなおす。
序論
第一章 模倣なんかこわくない
1 模倣する狼からバーチャルの狼へ
2 プラトン1--「する」から「あたかも〜のようにする」へ
3 プラトンII--模倣することと認識すること
4 遊戯的模倣の二つの系譜
5 プラトン、それでもなお
第二章 ミメーシスーー模倣する、装う、表象する、認識する
1 古くからの混乱について
2 ミメティスム
3 類似から模倣へ
4 模倣から偽装へ
5 表象からミメーシス的表象へ
6 認識手段としてのミメーシス
第三章 フィクション
1 模倣、まやかし、偽装、フィクション
2 フィクションの系統発生ーー共有された遊戯的偽装について
3 フィクション能力の個体発生ーーミメーシス的自己刺激について
4 フィクション的没入
5 フィクション的モデル化ーーフィクションと指示
第四章 いくつかのフィクション装置について
1 遊戯、夢想、芸術
2 没入の媒介と態度
3 フィクション物語(レシ)
4 演劇フィクション
5 視覚表象とフィクション
6 映画
7 デジタルフィクション
結論
註
訳者解説
参考文献
索引
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