モダニズムと近代特有のメディアである広告が出合った1930年代。写真家・中山岩太の「福助足袋」は商業美術や写真界に衝撃を与えて、広告文化に影響を及ぼした。中山の軌跡に写真をめぐる動向や社会状況を重ね合わせ、80点の作品から知られざる写真史を描く。
はじめに
第1章 近代日本の広告写真
1 広告写真の歴史的背景と中山岩太の登場
2 《福助足袋》の戦後写真批評形成史ーー一九六二年から二〇一二年まで
第2章 第一回国際広告写真展ーー広告写真への新たな期待
1 第一回国際広告写真展の企画と実施状況
2 一等・中山岩太《福助足袋》の選考過程と受賞理由
3 第一回国際広告写真展のその後ーー影響と評価
第3章 中山岩太の写真理論ーー機械美学から新興写真へ
1 同時代の西欧の造形芸術思潮の受容
2 「光画」にみる新興写真の展開と広告写真の普及活動
3 美術評論家・板垣鷹穂との広告写真論争
第4章 中山岩太の実践環境ーーモダニズム文化を背景として
1 広告写真《福助足袋》の国内市場での流通
2 商業美術への接触とジャーナリズムとの交流
3 百貨店メディアとモダニズム文化の多様な広がり
第5章 広告写真の行方
1 国際広告写真展の終焉
2 ユダヤ人難民とプルーフ写真
あとがき
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