樹木画テスト(バウムテスト)はわが国の心理臨床家にとって、もっとも馴染み深い簡便な投映法であろう。しかしながら、その解釈法については方法論や原則が確立されているとは言いがたい状況である。著者は樹木画から「心理学的サイン」を見つけ出し、それぞれのサインから被検者の性格特徴を感情・情緒領域、社会的領域、知的領域の3つの領域に分けて分析する「読みかた」をコンパクトに示している。実際の樹木画を呈示し、著者独特の描画後質問表を用いた症例の数々を通して、「読みかた」が鮮やかに理解され、実際に所見を書く際に役立つだろう。また、巻末に付した訳者による解題では樹木画テストの研究史を俯瞰し、樹木画テストがどのように読まれてきたか、そして今日どのように読まれるべきかを考察した。本書は樹木画テストの読みかたを模索する臨床家のための、待望のプラクティカル・ガイドである。
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