「いつものパーソナリティーの声が聞こえてほっとした」
「ラジオに物心両面で救われた」
災害時にラジオが求められるのはなぜか。
ラジオがリスナーと築く連帯感、共感性を軸に、
災害放送においてラジオが果たすべき役割を解明する。
●著者紹介
大牟田智佐子(おおむたちさこ)
毎日放送報道情報局報道業務部部次長
1990年 同志社大学文学部英文学科卒業
2022年 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科博士後期課程修了 学術博士
1990年毎日放送入社。1994年テレビの「地震記者」となり地震のメカニズムを中心に取材し、半年後に阪神・淡路大震災を迎える。1998年から2010年までラジオ報道の「災害報道専門記者」として災害番組「ネットワーク1・17」のプロデューサーを務め、被災者・ボランティア・遺族そして研究者らとの交流を深める。現在はニュース映像のアーカイブを担当。
はじめにーーラジオ、この不思議な世界
第1章 「災害時にはラジオ」と言われる背景
1 ラジオの存在意義とは
2 ラジオを取り巻く変化
3 ラジオの災害放送はどのように位置づけられてきたのか
4 ラジオが持つ親密性
5 本書の目的
6 民放ラジオを対象とする理由
7 本書における「ラジオ」の定義
8 本書の構成
第2章 いまのラジオが形成されるまで
1 ラジオの誕生
2 ラジオをめぐる災害史
3 日本におけるラジオの変遷
4 まとめーーラジオの今日的役割
第3章 ラジオの災害放送は日常の延長に
民放ラジオ全社アンケートから
1 調査の前提ーーなぜ「日常」が重要なのか
2 調査の概要ーー日常、災害、新型コロナ感染症
3 集計結果ーー浮かび上がったラジオ特有の災害放送
4 まとめーー「共感放送」の発見
第4章 「共感放送」の実例
二〇一六年熊本地震 RKKラジオへのメール
1 なぜリスナーのメールに着目するのか
2 メール全体に使用された言葉
3 「皆さん」という言葉に込められた共感性
4 メールに使用された言葉の分類
5 メールの件数と時間変化
6 地震ひと月後のメール
7 ソーシャルメディアとの比較
8 まとめーーリスナーにとっての「共感放送」
第5章 災害放送を長期継続する意味
1 阪神・淡路大震災で生まれたラジオ番組
2 災害対応サイクルと長期の災害放送
3 長期災害放送が論じられてこなかった理由
4 「ネットワーク1・17」の分析
5 テーマに使用された言葉
6 放送内容の変遷
7 まとめーー長期の災害放送における共感性
第6章 ラジオの「共感放送」はどこから生まれるのか
1 見えないリスナーを可視化する「共感」
2 被災地の「内」と「外」を包括する共感
3 ラジオの「共感性」を生む三要素
第7章 ラジオの災害放送に関する提言
参考文献
【資料】ラジオ一〇〇社へのアンケート設問
あとがき
人名索引/事項索引
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