「性愛作家」と呼ばれ、放蕩の限りを尽くした文豪永井荷風が、心底愛した女性が一人いた。新橋芸者八重次、後の新舞踊家 藤蔭静樹だ。ふたりの間には実子がいた!? ふとしたきっかけで生まれた疑問を、大通信社の元編集局長が追う。記者人生晩年に心血を注いで書いた評伝。
目次
プロローグ =事件記者の勘=
第一章 孤独死ーーークモの巣の張った部屋で
最後のメッセージ、個人主義を貫徹した生涯
第二章 慟哭する男ーーー母を母と呼べず
実子とみられる内田芳夫氏
第三章 名家の放蕩息子ーーーエリート官僚、父との確執
山の手の御曹司一高受験失敗、自分探し、米仏に遊学
第四章 「あめりか物語」---一躍文壇の寵児に
作家荷風誕生、新帰朝者文学の旗手、祖国に落胆、
相次ぐ発禁処分、慶大教授就任、三田文学
第五章 文学芸者ーーー交情蜜の如し
新橋芸者富松、八重次との熱愛、
実子出産? 実弟夫婦の子にカモフラージュ?
第六章 戯作者宣言ーーー大逆事件、元老山県有朋の暗躍
天皇制絶対主義、幸徳秋水の処刑、作家生命問われる、
フレームアップ、作品「花火」
第七章 女の勲章ーーー性愛作家に翻弄される
見合い結婚、父急逝、二番目の妻の座、
激烈な置手紙、破局,作品「矢はずぐさ」)
第八章 慶大・三田山上を去るーーー教育者荷風の素顔
大正6年9月日記再開、断腸亭日乗、洋館「偏奇館」、
鴎外・井上唖々死去、関東大震災、新舞踊、静枝のパリ渡航,藤蔭流
第九章 私娼窟玉の井ーーー軍靴の高鳴りに抗して
二・二六事件、阿部定事件、新聞連載小説「墨東綺譚」大反響、
ミューズ・お雪さん、母恒危篤、静枝に相談、母の死去
第十章 荷風余話」---敗戦、それ見たことか
相次ぐ空襲体験、敗戦に祝杯、第三次荷風ブーム、
浅草詣、濡れずろ草紙、静樹死去
レビュー(0件)