助産婦さんに聞いたいのちにやさしいお産 増補改訂版
著者自身の体験をふまえ、ちょうど10年前に初版刊行。古くから一貫して女性たちにより担われてきた出産介助の仕事が、戦後、急速に病院・医療へと委ねられることになった歴史的背景をも浮かび上がらせた本書は各方面から高い評価を得ています。改訂にあたり、妊娠・出産・介助をめぐる10年分の資料を追加した年表も充実し時宜にかなったものとなりました。
かつて病院での初めての出産で、「女が人間であることを捨てる場か」と思わされるほどの暴力的な扱いを受け、心に癒しがたい傷を負った著者。時を経て助産所の行き届いた温かい介助に支えられ第2子を出産。
ようやく人としての誇りを回復していくなかで、助産婦さんたちの「まるで水と森のような」仕事のありように深い示唆をうけたことから、聞き書きは始められました。
戦前から戦後を通して、産婦たちに惜しみない介助の手をさしのべ続け、地域医療の担い手としても尊敬されていた助産婦たちの、職業人として、また女性たちの先達としての自立した人生をいきいきと伝えるいっぽうで、占領国アメリカによって出産が医師と病院へ移され、助産婦職が否定されていった経緯や、胎児や母体に本来具わっている生理を軽視した今日の病院管理システムの中で頻発している医療事故の問題にも筆を進めていきます。
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