本書は,著者の長年のノーベル賞学研究から発見した「ノーベル賞を取るための8つの法則」について,岩手大学,新潟大学,筑波大学,文部科学省技術政策研究所,京都工芸繊維大学,神戸大学,岐阜大学,三重大学,鳥取大学,熊本大学等で講演した内容をもとに加筆したものである. ノーベル賞受賞者はみな天才で,われわれとは違うから彼らの研究手法をまねしても役に立たないという人がいるかもしれない.確かにノーベル賞受賞の対象になった研究業績はいずれも一連の既知事実の延長線上に見つかったのではなく,そこには非連続的な飛躍があって初めて見つかっている.運をつかむ能力を有するよほどの天才でないとこのような発見は無理のように見える.しかし,よく調べると,凡人でも発明・発見が可能な秘策を発見した. 先ず,8つの法則を紹介する前に,秀才しか成功しないので,凡人は行ってはいけない禁じ手3つ(1先人の褌で相撲を取る.2先人の誤りを正す.3その当時の最大課題を追及する.)を紹介する.多くの人は自分が秀才であると誤解している.秀才しか成功しない方法を取り,時間を無駄にしている.貴方が今やるべきことは,自分が凡人であると自覚することである.その上で,8つの法則の中,自分にあった法則を選び,日夜邁進することである. 本論の8つの法則は以下からなる。 第1法則:先人の業績を追試し,その上で目的や材料を変え,どうなるかを調べる. 第2法則:特定技術等の蓄積にこだわることにより誰にも負けないノウハウを蓄積し,それを利用すべき課題を文献より見つけ,いち早く開発する. 第3法則:他人がやりそうもないテーマで,自分の弱点を生かせるものを選び,こつこつがんばる. 第4法則:その職場特有の課題を解決するために必要に迫られて新しい技術を開発する. 第5法則:患者の観察や外部よりの原因究明依頼をきっかけにして新発見をする. 第6法則:定説を否定した仮説に立った実験もしてみる. 第7法則:思いがけない結果が出れば,何かの始まりと思い,それを追及する. 第8法則:ブームが過ぎても初志を貫徹する. 最後に,以下の奥の手を紹介する。 奥の手1:若者はノーベル賞受賞者と合宿する会議にもぐりこみ,ノーベル賞受賞者とできるだけ近い位置で記念写真を撮って貰う.なぜなら,ノーベル賞は接触感染するからである. 奥の手2:ある程度の研究業績はあるものの,もう自分の力ではノーベル賞が取れないと悟った人のための秘策「施設貸し」を紹介する。 以上全てノーベル賞受賞者の事例で紹介する。
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