党史はどう書き換えられたのか?
ーースターリニズム研究の第一人者が「党史の書き換え」を切り口に戦後共産党の理論と運動の軌跡を辿り、革命観と組織観の変遷を考察する。
本書の構成は『日本共産党の○○年』の情勢、運動、理論の系統だった叙述とは当然にも異なるが、まずは「公式党史はどう書き換えられたか」を検討し、戦後共産党史の問題点を整理することから始めた(第一章)。従来気づかなかった、加除修正された史実もあるが、重要なのは、この党の革命観と組織観の変化を跡付け、綱領論争を見直し、「自主独立」と「民主集中制」の実態を問うたことである。自分の属した『現代の理論』グループについても反省を加えている(第二、三章)。第四章は、新左翼諸派も「反スターリニズム」を掲げながら、革命観と組織観を受け継ぎ、内ゲバと暴力的査問に走ったことに対する考察である。補章は、日本のソ連論とスターリン観を歴史的に(戦前も含めて)再構成し、自分の研究の足跡、本書執筆に至るライト・モチーフを示したものである。(「はじめに」より)
○目次
第一章 公式党史はどう書き換えられたか
第一節 徳田・野坂・袴田らの描き方
第二節 「自主独立」への長い道
第三節 宮本・不破「主流派」の思考様式
第四節 不破による伝統修正と科学的社会主義
第五節 二○二○年新綱領の教条と新味
コラム1 上田の『戦後革命論争史』
第二章 一九五〇年分裂と六全協
第一節 戦後民主化と平和革命論
第二節 コミンフォルム批判と党分裂
第三節 朝鮮戦争と講和・安保条約
コラム2 知られざる労働者党員
第四節 党分裂下の大衆運動
第五節 五一年綱領と六全協
コラム3 指導者の呼び名と綽名
第三章 第七〜八回党大会の綱領論争
第一節 フルシチョフ報告と内外の議論
第二節 綱領論争と党内グループ
第三節 「自由論争」から組織的締め付けへ
コラム4 上田・不破の再度の「自己批判」
第四章 スターリン批判と日本の新旧左翼
第一節 トロツキー史観と溪内史学
第二節 新左翼運動から無党派の時代へ
第三節 「新日和見主義」と党内改革派
コラム5 島成郎さんの思い出
補章 日本のソ連史研究と私
第一節 日本のソ連史研究概観
第二節 私の研究
第三節 社会主義について
第四節 石堂清倫のグラムシ研究/佐藤経明の社会主義経済論
コラム6 「一・九会」のこと
参考文献 …
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