一人称を「I」と書くのはなぜ?ノルマンの征服とフランス語の流入、18世紀の学校文法の完成など、文法・発音・語形・語彙がいかに変化してきたかを豊富な例とともに解説する。
It is me.とIt is I.--今日の口語では「私です」というとき、it is I.の代わりにIt is me. という。しかし14世紀を境にして、それ以前と以後ではまったく違った構造をしていた。すなわち、それ以前ではIt am I.といった。この文の主語は明らかにItではなくIである。しかも「補語+動詞+主語」という奇妙な語順をとっている。この文の主語がIであるというのは古英語以来の構文を受け継いだ結果で、古英語ではI it am.といっていた。つまり中英語期のIt am I.は古英語の主語Iを動詞の後ろに移動してできた構文なのである。It am I.は語源の確立とともに動詞の前は主語の領域と感じられてきて、だんだんItが主語と解されamがisに変わった。同じように動詞の後ろは目的格の領域と感じられてきたために、isがbe動詞であるにもかかわらず、他動詞であるかのようにIはmeへ変化した。--本書より
●変化しつつある英語
●綴り字と発音
●英語のアクセントの特徴
●共通語と方言
●階級方言
●アメリカ英語
●言語戦争
●学校文法の誕生
●借入語の多い言語
●シェークスピアの英語
●文法の歴史
●語形の歴史
●発音の歴史
●造語法
●意味変化
レビュー(7件)
イギリス史
イギリスを知る好著という紹介文を読み、購入しました。期待に違わず、すばらしいものです。